パン粉のおはなし


 パン粉は素材を生かす大変大事な役目を果たしており、製造方法によりそれぞれ特徴が違います。

(1)目立めだ
 目立ちの良いパン粉は揚げ物を-層美味しくきれいに見せます。ただし一般には目立ちの良いパン粉の方が硬いと言えます。
 焙焼式パン粉の生は大変目立ちが良いが、乾燥品は自が壊れやすい。電極パン粉は目立ちも色沢しきたくもしっかりしているので、主に冷凍食品などに多く使われています。

(2)色
 現在、フライものはパン粉を付けた状態で販売される事が多くなり、お客様の自にとまるよう色相、色彩しきさいが必要とされています。焙焼式のパン粉が好まれますが、焦げが嫌われるので、皮をむいたり、焦げ目が付かないように焼いたものが使われます。又、色彩の豊かなカラーパン粉やカラーと白パン粉をミックスしたものも使われます。

(3)硬さ
 現在、全体にソフト感のあるパン粉が主流となっています。
 柔らかさから言うと焙焼中種式ばいしょうなかだねしき焙焼直捏式ばいしょうちょくこねしき、電極式、高周波式パン粉となります。

(4)おいしさ
 衣の素材として特に油切れの良いパン粉は素材の味を守り、美味しさを一層引き立てます。又、パン粉の美味しさを生かしハンバーグ、肉団子等の練り込み用として多く使われています。美味しさ、風味の優れている順序から云うとやはり焙焼中種式、焙焼直捏式、電極式、高周波式パン粉となります。
 高周波式ブレダーパン粉は、フライにした場合、他のパン粉と違いフライの食感が大変良いクリスピーな感じになります。

(5)揚げ色
 揚げ色は揚げたままの状態で退色たいしょくしないのが理想ですが、原料配合が同じ場合は発酵時閏の良いものほど退色しやすくこれを避けるために糖質を多く加えたり、着色したりして防ぎます。きれいな揚げ色を出すにはそれなりの工夫が必要です。 とんかつ屋、食堂、レストランなどフライ後すぐ食べられるのであれば、食感、風味の良い焙焼式の生パン粉が良く、またすぐ揚げ色がついて困る“とんかつ”などには焙焼武生パン粉を上手に使うことが良いでしょう。

(6)あら
 乾燥パン粉の目の荒さはフルイの網目あみめ粒度りゅうど(メッシュ、注参考)で表します。生パン粉の場合はパンを粉砕する粉砕機の網目の大きさ(ミリ表示)で表します。
 パン粉は目の荒さによって付ける製品が異なります。通常トンカツ、魚のフライ等には荒いパン粉をつけて、ボリューム感を出したり、食感を強調します。荒いパン粉だから硬いとは必ずしも云えません。コロッケ、ポテトフライ等には細かいパン粉が使われます。荒さと中身の具との調和が取れることによって更に美味しく召し上がりになれます。

注:粒度(mesh、メッシュ)について
 メッシュとは網目の大きさを表す単位で、25.4mmの間にある目数を表します。(JIS.日本工業規格)メッシュの数値が大きくなるとパン粉の大きさは逆に小さくなります。

注:生パン粉の粒度について
 生パン粉の場合粒度はフルイを通して荒さを決めるのではなく、粉砕するときの網の穴の大きさによって決めます。穴の大きさはmmで表示されます。実際の生パン粉の目の荒さはメーカーによって同じmm表示でも多少違います。これは網自体んだあみあみ(四角・丸)など色々ある為です。

(7)水 分
 生パン粉は、水分35%~38%が標準、セミドライパン粉は利用いただく方の要望に応じた任意の水分に調製したもので20~30%の間が多い、乾燥は水分14%以下に調整したものです。最近は、生パン粉の使用が増えています。生指向、食感の良さ、ソフト感などが理由と思われています。
 更に生パン粉の機械付けの工場が増えた事が挙げられます。
生パン粉


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